254号沿い松本へ向かう途中だった。そろそろお腹が空いてきたね。
しかし、下調べもせずにいたし、走る道には目ぼしいお店もない、困った・・・
そこへ私の目に飛び込んできた、お蕎麦屋さんの看板。良さそうな、とちょっと勘も働く。
「あ、あった〜」と私。が、車は急に止まれない。そう言っている間にもぐんぐん前に進んでいく。
「え?戻るの?」(ドライバーはUターンする価値があるのかと言いたげ)どうしてドライバーって戻るのを嫌がるのか、とペーパーな助手席は思う。
「確かだから!」と、引き返すことになった。
これで不味かったらどうしよう・・・だけどお腹空いちゃったし。
普通の家のような玄関を開ける。
「手打百芸 奈賀井」
中は古い民家を改造したような造りだった。雰囲気はなかなかよいと全員一致。手前が洋風で趣のあるテーブル席、奥が畳の席になっていた。
畳の方に上がる。
蕎麦打ち部屋も、今までどこで見たものより広い。
「おお西流十割蕎麦」とあった。上田市柳町の「おお西」大西利光氏考案の打ち方によるのだそう。
3年かけて開発されたというお店のお薦め「発芽そば切り」にした。
高級感ある塗りものの高さがある器に盛られている。発芽させた蕎麦の実100%のお蕎麦。
香りも甘みも濃いお蕎麦の味が広がった。かと言って荒々しいお蕎麦でもなく、美味しい、これはすごい。(ほっ)
春の香りが豊かな山菜の天ぷらもからりと揚がっている、さくさくと美味。
ふきのとう、こごみ、たらの芽。
蕎麦つゆ入れがユニークだった。まるで花器のような器にたっぷりと。
蕎麦湯がこれまた濃厚でおもゆのよう、これも美味しい。
大満足で外に出る。タイミングもとてもよかった。入った時はがらすきだった駐車場が満杯に近い。
いよいよこれから松本〜扉へ、引き返して本当によかったと思えたお蕎麦屋さんに出逢えた。
「奈賀井」 長野県上田市西内725−1
0268−45−3088