よくある蕎麦ちょこだが、私にとってはとても意味のある品。
作陶の世界に一歩を踏み出すことになったその時の作品、そう処女作。
ブログ6月16日付け「きっかけは・・・小山弘治先生」で話題にしたあの時の作品がこれである。
初めて素焼きの器に線を描いた、相手は紙のようななめらかさもなく、
真っ平らな面でもない。
絵の具である呉須は生地に吸収され、伸びもよくない。
濃さの見当も全くわからない。
そこにまっすぐな線を描く、フリーハンドで、かなり難しい作業だった。
何と言っても直線はごまかしが利かない、息をひそめて一気に、しかも集中して・・・・・・
緊張の余り手が震えそうだった、いや震えていたかも。
手回しロクロを回して横のラインを引くのだが、始めの何本かは小山先生が描いてくださった。貴重なラインです。
こういう(陶芸を続けている)今の私がいるのも、これがあったから。
「私を変えた品」ベスト1にしてもいいくらいのいとおしい、
大事な蕎麦ちょこです。
追記:この文様は名前はもちろん忘れたけれど、横の小さな線が数字を表している「暦」である、と小山先生は説明されたと記憶の隅にあるのですが、、、間違っていたら申訳ありません。