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19才のあの夏
今回の旅行で最も楽しみにしていたのが扉温泉、明神館。
雑誌などでも取りあげられていて、和と今風なリゾート感がマッチした人気の高い宿に変身している。いつか行きたいと思っていた宿だった。


ロビーで見つけたこの旅館の古い写真一枚。私がかつて訪れたのはこんな感じに近かったように思う。


あれは私が19才の夏休み、扉温泉に向かう女二人旅が新宿駅から始まった。あずさに乗る。
朝の時間だった、あずさ2号だったのだろうか、その辺の記憶は定かではない.

ホームで待つ私に事件が起こった、うれしい事件。あこがれの先輩が見送りに来てくれたのだ。今でなら、ケータイやメールで連絡を取るのは簡単だが、家電(いえでん)しかないこの時代、私は乗る電車だけを告げていたのだろう。長いホームですれ違わなかったことは本当に幸せなことだった。思いもかけない出来事に、旅行が始まるわくわく感に加えて気持ちは宙を舞っていた。
差し入れの確かチョコレート、甘くてほろ苦いチョコレートは、後ろ髪を引かれながら新宿駅を出た私の気持ちのような味がした。

扉温泉へは松本からバスに乗り換える。それも日に何本かしかないバス、山道をくねくね奥へ、40分ほど揺られる。なぜ扉温泉を選んだのか、明神館を選んだのかもすっかり忘れてしまった。
やっとたどり着いた扉温泉、旅館は2軒、本当に山奥の田舎だった。
ここでも事件が起こった。

何かの手違いで予約が取れていないという事態、そうこうするうちに今まで晴れていた空が真っ暗になって激しい雨を落とす。夕立だ、不安がこの雨でもっと激しくなった。
その日案内された使用人部屋のような狭い暗い部屋で、よく寝れないまま心細い夜が過ぎた。
(二泊、次の晩は普通の部屋に泊まれたと思う。)

翌日は美ヶ原高原へ登った。当時何もなかった草地の広い高原は360度のパノラマ。素晴らしい広い空が広がる。ここまで来てよかった、とこの時初めて思えた。

温泉の記憶もほとんど消えてしまった。私の記憶って都合がよくできている、いい思い出はいい色のまま輝く。違う色に彩られていくことさえある。よくないことやどうでもいいことはぼんやり包まれているか、すっかり忘れ去られていく。。。

しばらくして、その時お世話してくれていた明神館で夏のバイトをしていたS大の学生さんから手紙が届いた。メールがない手紙の時代、宿帳から住所を見つけたのだろうか(個人情報云々の時代でもなかった)。
秋になって(たぶん)、彼が上京して来た。あこがれのW大辺りを歩きたい、案内を・・・ということだったと思う。

この日は雨だった、都合のいい記憶では冷たくしとしと降る雨だ、本当は晴れていたのかもしれない。気持ちがなんとなく雨。
私には馴染みも余り興味もないW大辺りを、2つの傘は距離も縮まないまま歩いていた。

・・・ここで明神館の記憶は止まっていた。


今、あの細い山道を車で上る。そうだ、こんな道だった。この辺りの自然は変わっていない。私は19才の私ではないけど、懐かしい空気を感じた。
もうすぐ明神館に到着する、カーナビが告げた。






長い年月が経ちました。女ゴコロを刺激する素敵な宿に。


| 都会を離れて〜宿〜 | 16:26 | comments(12) | trackbacks(0) |
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コメント
うわぁ〜っ!!
やりますねぇ〜。
まるで、小説を読むようです。
すっかり、naokoさんの世界に入り込んでしまいました。
家具の写真を見ても、かなりの古いもの。
しかも、ピカピカ光って、毎日のように拭かれ続けている歴史を感じます。
若かりし頃の、ちょっと甘い思い出、記憶。
この家具が象徴するかのように、
古きよき時代、そしていまもかがやいているものを感じさせました。
ステキな文章でした。^^

| tady | 2006/05/08 6:58 PM |
tadyさん、ありがとうございます。

読むのを押し付けちゃうようで抵抗もありましたけど、、、
私の青春の1ページを
どこかに残しておきたくて文章にしてみました。

この写真が置かれていたのは、ピアノのようでした。
今でもピカピカに磨かれ、きっと音も変わらなく聴けるのでしょうね。

過ぎてしまった時間は戻せない、
だからこそ今を大切に歩きたいですね〜。



| naoko/tadyさんへ | 2006/05/08 11:04 PM |
御無沙汰していますよ。
つ、ついでに(こらっ、失礼だよ)tadyさんにも。
ご、ごめんなさい、コメント不精になってしまいました。(こらっ、なんて奴だ!)

確かにケータイやメールが夢をなくしてしまったのかもしれませんね。古きよき時代・・・40年前?
今の犯罪の陰には取れているようで取れていない希薄なコミュニケーションの実態が見えてきます。
| ミカエル・ホタルッチ | 2006/05/08 11:08 PM |
ヨミガエルさま?こんばんは〜。

でぶしょう(いえ、ミカエル様は違いますよ)じゃなくてコメ不精ですか。
そういえば、長野でも田植えが始まっていましたよ。
(コメで思い出しました)

そうですね。ケータイ、メールが無い時代に会う、会える、会話するということにはもっと重みがあった、大事な時間だったような気がします。


| naoko/ミカエル・ホタルッチさんへ | 2006/05/08 11:31 PM |
もし好きな時に戻れるなら、私は19才に戻りたい、と思っているのですが、今日のnaokoさんの文章を読んだら、更に確信してしまいました。

あこがれの先輩が見送りに!なんて、あま〜い思い出。
お土産買いましたよね?何と言って渡したのでしょう?興味津々^^
| okuman | 2006/05/09 12:12 AM |
19才を意識していたわけじゃなかったけど・・・
なるほどそうですね、
子供でも大人でもなく、
20才になるとまたちょっと意識が変わっていきますものね。
okumanさんの19才、知りたいですね〜。

お土産ですか、
再会のためにはねっ。
買ったものは覚えているのですが、そのときの言葉、霧の中です。

付けたし、
もし物書きだったら・・・
W大辺りを歩いた扉温泉の彼、実は夫になりました。
な〜んてドラマに仕立てたいところです。
「続・扉は開かれた」ってどう?(笑)

| naoko/okumanさんへ | 2006/05/09 8:57 AM |
懐かしい!!!
今は、すっかり、素敵な宿屋になってしまって・・・

それより、なんていい話!
こんなことがあったなんて、知らなかったよおおお。
若い頃の素敵な思い出、胸キュン!

あれから、もう何十年も経ってしまったのね・・・

当時、たしか、明神館のご主人お手製のヨーグルトが、
売りだったような・・・

| pooh | 2006/05/09 2:23 PM |
本当だね、何十年も経ってしまったよね。

こんな思い出があった明神館だから、また行きたいなぁと思っていたんだけど。
再び行くことができたこと、ホント幸せだな〜と思う♪

ヨーグルト、そうだったかもしれない。
朝出たよ〜。
はちみつとレモンが効いた濃厚な(飲む)ヨーグルト、美味しかった。
これ、受け継がれていたんだね。
| naoko/poohさんへ | 2006/05/09 6:12 PM |
★★★★☆★★★★☆
★★★★☆★★★★☆
そっかそっか…こういう思い出があったんだ(^v^)ニコ
なんか良いですね。
ちなみに…このお話に出てくるどなたかが、今の旦那様って事は
ありますか?
チョコレートの王子様とか?
| ナチョパパ | 2009/11/11 8:56 PM |
へへへへ(不気味)

ナチョパパさんに引き続いて、青春時代のnaokoさんちに突撃〜〜
(ってまた突撃?)

すてきな思い出のお話・・・青春ですね。
くしゅん
(風邪ではありません。おセンチになっています)
| こころ | 2009/11/11 9:07 PM |
19歳の私です、
こんばんは〜☆
ナチョパパさん、生まれていましたよね〜??
なんか不安になる。。(笑)

うふふ、チョコの王子様がね、そうなれば、
素敵なお話があと何回も書けたのですが・・・
チョコレートの後味って ほろ苦いものでした〜(笑&涙)
| naoko/ナチョパパさんへ | 2009/11/11 11:33 PM |
大きなおしゃもじのこころさん、
突撃・・・がここにも、嬉しいです。
突撃、には随分慣れた私で〜す。(あはは)

お風邪ではなくてよかったぁ。
青春は甘くせつなく・・・


東京も明日は冷え込みそうです。
こころさんもお気をつけてくださいね。
| naoko/こころさんへ | 2009/11/11 11:38 PM |
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